若手弁護士インタビュー

新澤 純(69期)



Q1. 当事務所を就職先に選んだ理由を教えてください。

 ①実力と実績があり、様々なバックグラウンドを持つ弁護士が多数在籍していること、②幅広い分野の案件に同時に従事できること、③約70名の弁護士のうち外国人弁護士が3名、日本人ニューヨーク州等弁護士が8名おり、国際的な案件にも従事できること、④自ら顧客を獲得してきて、案件を処理し、自ら請求書を送付してフィーを貰うことを良しとするカルチャーがあること、などが挙げられます。
 ①に関連して、とりわけ弁護士の1~3年目は、当たり前のことを当たり前に行うことが重要です(法律業務をクイックに、緻密に、正確に/所内にも顧客にもレスポンシブ/納期を守る/原典にあたる等)。当たり前の話ですがこれを徹底しているところで働くのとそうでないのとでは大きな違いです。中央総合は、訴訟もM&Aも一般企業法務もクイックに、緻密に、正確に行う文化が根付いています。②も大阪ベースの事務所では比較的一般的ですが、訴訟を複数件抱えながら、M&Aを2~3件同時に担当し、特許権侵害警告事件の交渉を行うことなどもあります。③は意外かもしれませんが、中央総合は、渉外案件も多く、インターナショナルな案件に従事することが可能です。海外留学支援制度も充実しています。④が実は大切なファクターで、弁護士5~6年目になると、自分で売上を立てていかなければなりません。中央総合は、アソシエイトによる個人事件の取り扱いを推奨しており、パートナー直前期になって慌てるのではなく、若手弁護士のうちから、顧客獲得や、案件を的確に処理して顧客満足の上でフィーを貰うことの重要性を、身をもって経験していくことができます。

Q2. 普段はどのような案件に携わっていますか。

 私の取扱分野は、国際取引(製品の輸出入に関する契約書等)、M&A(DD、SPA、SHA作成等)、データプライバシー法(個情法、GDPR、CCPA・CPRA等)、人事労務(使用者側、かつ、東京ベースの外資系企業が中心)、訴訟・紛争解決などです。
 2021年夏から2023年夏にかけて2年間米国留学に行っていたこともあり、最近は、業務の50%程度が渉外案件(英語でやり取りする案件)、残り50%程度が国内案件です。
 日本、シンガポール、ロンドンの3拠点を繋いでウェブ会議を行ったり、また、海外クライアントからのメールは夜中に届いていたりすることが多いので、最近は、朝7時頃に来て、夜7時頃には帰宅する朝方の生活に切り替えています。
 これらの業務は、東京事務所のパートナーの弁護士と共同で行うことも多く、中央総合は、セクション制がないだけでなく、東京・大阪・京都がシームレスに連携している点も強みの一つです。日本国内は時差がないので、連携は難しくありません。

Q3. 業務を通じて心に残っているエピソードはありますか。

 日本国内の事件では、大阪の企業を代理して、原告側で最高裁まで争った事件が印象に残っています。最高裁審理の後に、異なる訴訟物に基づき被告側を提訴して、最終的に賠償を得ることができ、依頼企業の代表者の方から感謝の言葉を伝えられたときは非常に嬉しかったです。
 米国留学中の事件では、米国研修先の法律事務所で日本の大手企業を代理して、米国の大手IT企業との間でライセンス契約の締結交渉を行った案件が印象に残っています。自動車産業と並んで、日本のエンターテインメント産業(TVゲーム、アニメ、映画等)は世界に誇るプロダクトであることを改めて実感しました。

Q4. 今後のキャリアの展望について教えてください。

 COVID-19後、日本には再びインバウンドの波が押し寄せており、東京も大阪も京都も、外国人観光客を見ない日はありません。円安の影響を受けて、外国人観光客だけでなく、外国企業による対日投資も増加していくと予想されます。今後は、日本企業の海外進出案件(アウトバウンド案件)だけでなく、外国企業の日本進出案件(インバウンド案件)にも力を入れていきたいと考えています。
 留学先の米国もGAFAなどの巨大IT企業で活躍しているのは、中国やインドなどのアジア系移民だったりしますし、日本にもそのような優秀な人材が集まることは望ましいことだと思います(TSMC熊本工場の例を見ればその盛況ぶりは一目瞭然です)。失われた30年を生きてきた我々「若手」世代が、もう一度輝きを取り戻したニッポンを見ることができるよう、私も「若手」の一員として、これからも頑張っていきたいと思います。

Q5. 入所希望者へのメッセージをお願いします。

 自分の頭でよく考え、知的好奇心に溢れ、広い視野と芯の通った「志」を持った方々と一緒にお仕事ができることを楽しみにしています。